入浴の効用と弊害、正しい方法で肌も身体も健康に

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暖かいお風呂が恋しい季節になりました。入浴タイムが一日の楽しみになります。

入浴して温まることが身体にいいのは一般常識ですが、悪い影響(弊害)もあります。その多くは肌(皮膚)に関することです。

ということで、今回のサッポー美肌塾では、入浴が私達にもたらす影響について考えてみたいと思います。

入浴の効用と弊害、見ていきましょう。

日本人の長寿化は、入浴の効用によるもの

「入浴は日本人の寿命を飛躍的に延ばした最大要因だ」という説があります。

明治・大正を通じ、日本人の平均寿命は45歳までで長らく停滞。昭和に入り、少しずつ寿命が延び、戦後の復興期(1950~1955)直前に、平均寿命は50歳に到達しました。

この復興期以降、日本人の平均寿命は急激な伸びを見せます。1950年代、主要先進国の中で最低だった寿命が1970年代にはトップに躍り出ました。

この推移と軌を一にするのが内風呂の普及で、長寿化に貢献したといわれています。

今日ではご存知の通り、日本は世界1・2の長寿国になっています。

どうして、入浴で長寿化?

入浴して温まると、免疫機能が高まります。

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免疫機能が低下すると、癌の増加や感染症にかかりやすくなるように、生命の危険が増えます。これらの危険を毎日処理しているのが、免疫機能です。

日本人は、湯船に浸かることが当たり前の文化が根付いたため、飛躍的に寿命を延ばしてきたのでしょう。

健康のためには、シャワーで済ますのではなく、湯船に浸かっていただきたいと思いますが、「せっかくなら肌もキレイになる方法で入浴してほしい」というのがサッポーの願いです。

身体は健康になったけど、肌はボロボロ……ではいけません。肌と湯の間に起こりえる弊害を知っておきましょう。

乾燥肌や敏感肌を作る、入浴の弊害

身体や肌の健康によい湯温は、38℃~39℃あたりと言われています。しかし、寒い時期は、もう少し熱めのお風呂に入りたくなります。

あなたの家の給湯器も40℃や41℃になっていませんか?それ以上??このような場合は要注意です!

40℃で細胞間脂質は溶け始める

湯温が40℃を超えると、肌表面の皮脂が洗い流されます。それだけではなく、角質と角質をつないでいる細胞間脂質も溶け始めます

この状態が続くと、角質が予定より早く剥がれ、肌は乾燥しやすくなります。肌のターンオーバーが早くなり、未成熟で硬い角質で覆われるようになるのです。

健康な肌なら40℃程度でも入浴時間が短ければ問題はありません。しかし、湯温が40℃を超えて高ければ高いほど、入浴時間が長ければ長いほど、角質剥がれは進行します。

ここで「顔はお湯に浸かっていないから大丈夫じゃないの?」と思う人もいるかもしれません。

でも、そうではありません!

表皮の厚みはわずか0.2mmしかなく、その直下には、細い毛細血管がビッシリと張り巡らされています。その血管内を40℃に温められた血液が、約1分間に1回、身体中を循環します

つまり、肌は40℃のヒーターで常に内側から熱せられている状態です。湯に浸かっていない顔の皮脂も洗い流され、細胞間脂質も溶け出しているのです。

毛細血管のすぐ側には、マスト細胞が!

弱くなっている、敏感な肌部位には、さらなるリスクがあります。

毛細血管のすぐ側で、免疫細胞であるマスト細胞が常に見張り番をして、様々な危険がないかを監視しています

入浴時で言えば、熱(湯温)が最大の危険です。40℃の湯温に浸かるのは、風邪を引いて高熱を出したときと同じ状態です。

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この状態が続くと、マスト細胞は毛細血管を拡張させて、炎症の準備を始めます。誰も経験がある、熱いお風呂に入ったときの赤みがこれです。

ところが、すでに敏感な肌だと実際に炎症が起こります。これでは、いつまで経っても敏感肌が良くなることはありません。

さらに、痒みを伝える痒み神経もマスト細胞の信号を受けます。すると敏感な肌は、痒みを感じやすくなります

このようなことなので、敏感な肌は40℃の湯温は避けるべきなのです。

上で免疫機能の低下はよくない、入浴で免疫機能が高まると書きましたが、熱い湯温で高め過ぎることもよくないのですね。

肌状態別にみる、適切な入浴方法

では、どのような入浴方法が良いのでしょうか?

サッポーおすすめする、美容にも健康にも良い入浴法を紹介します。

適度な湯温で温まり、一日一度、免疫機能を高めることが、免疫機能を下げない訓練になります。

敏感さのない肌

40℃くらいの湯に5分程度つかる

敏感さのある肌

39℃未満の湯に10分程度つかる

全ての肌におすすめの入浴法

半身浴で、39℃未満の湯に20~40分

※ただし、身体が冷えないように、いずれも体温以上の湯温は確保してください。

「寒くて風邪を引きそう!」という声も聞こえてきそうです。確かに、慣れるまでは、浴室を暖める工夫をしないと厳しいかもしれませんね。

浴室の暖め方については、こちらのサッポー美肌塾を参考にしてください。敏感肌向けの講義ですが、浴室の暖め方は、どなたにも参考になります。

参考:寒い冬、38℃のぬるま湯入浴に挑戦!

いかがでしたか?

入浴は毎日のことですから、良い影響を受け続けるのと、悪い影響を受け続けるのでは大きな違いが出てきます。

適切な入浴で健康な身体とよく育った肌を作り、健康寿命だけでなく、美肌寿命も延ばしていきましょう。

めざすは、肌が若くて元気なおばあちゃん(おじいちゃん)ですよ。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • 適切な入浴は、免疫機能を整え、肌にもよい影響を与える
  • 体温以上のぬるめの湯温で健康と美肌が手に入る
黒板に注目!


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