髪の未来を考えるなら、アミノ酸系シャンプー

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アミノ酸系界面活性剤(洗浄剤)を使用したシャンプーが「洗浄力控えめで髪や頭皮に優しい」と市場に出回るようになりました。

界面活性剤の長所も短所も周知されるようになったのが背景にあるのでしょうか。短所である洗いすぎの弊害を避けるべく、いわゆるアミノ酸系シャンプーの商品化が進み、広まったと想像します。

本日は、このアミノ酸系界面活性剤について解説していきます。

髪や頭皮を洗いすぎるとどうなる?

アミノ酸系界面活性剤の解説の前に「洗いすぎの弊害」について考えてみます。

現在の日本人は毎日洗髪するのが当たり前になっています。だから、従来のシャンプーでは洗浄力が強く、洗いすぎる傾向が出てきます。もちろん洗浄力だけの問題ではなく、個人個人の洗い方の上手下手もあります。

いずれにしても、洗いすぎると髪と頭皮を傷め、乾燥フケべたつきかゆみなどの症状が現れてきます。その結果、枝毛切れ毛に始まり、長年続けていると細毛薄毛……に繋がります。

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そこで、汚れを落とすことよりも洗浄力を弱くして“毎日洗っても大丈夫”なシャンプーを作るという発想が生まれました。それが、アミノ酸系シャンプーの広まった理由です。

ちなみに、サッポーは2002年12月からアミノ酸系シャンプーを商品化しています(サッポー ハービアンシャンプー)。当時、家庭用としては珍しく、美容院で使用されることがほとんどでした。

アミノ酸系界面活性ってどんなもの?特徴や見分け方は?

一般的な界面活性剤の原料は、植物から採取した脂肪酸(油)が主に使用されます。

この脂肪酸だけでも界面活性剤は作れるのですが、さらにアミノ酸を結合させ、アルカリ剤(たとえば、NaOH)で中和させたものが、アミノ酸系界面活性剤です。

手間はかかりますが、脂肪酸だけで作った界面活性剤よりも遥かに洗浄力を低下させることができます。

サッポーのハービアンシャンプーに配合されているアミノ酸系界面活性剤を例にとって解説すると、

  • ココイル グルタミン酸 Na
  •    ↑     ↑
      脂肪酸   アミノ酸
       ↓     ↓
  • ラウロイル メチルアラニン Na

となっています。(中和することによって、NaOHのOHは分離します。)

他に利用されるアミノ酸としては、加水分解コラーゲンメチルタウリンなどがあります。これら成分の名称を知っておけば、見分けることができます。

しかし、たいていは「アミノ酸シャンプー」などと商品説明されているので、おのずと見分けはつくでしょう。

サッポーでは、他にも4種類の界面活性剤を補助剤として配合しており、シャンプーとしての性能をさらに高めています。たとえば、きめ細やかな泡や洗い流すときの泡切れの良さ、しっとりした洗い上がりなどです。

アミノ酸系シャンプーと一口に言っても、各製品それぞれに特徴があります。少なくとも一ヶ月は使用して良さを確認しましょう。

アミノ酸系シャンプー、デメリットはないの?

洗浄力が穏やかで髪や頭皮の健康に役立つのなら、いいことだらけ!デメリットなんてあるの?と思いますが、一つだけあります。

それは、アミノ酸が脂肪酸に比べ、原料コストが高いということです。

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洗浄能力を劣化させるために、脂肪酸に高価なアミノ酸を加え、何倍ものコストをかけているのです。つまり、非常にコスパが悪い洗浄剤になっているのです。

コストの高さは当然、販売価格の高さに繋がります。市場に出回らず、美容院での取り扱いが多かったのは、このような背景があったからです。

アミノ酸系界面活性剤を使用したクレンジングや洗顔料はどうなの?

洗浄力の弱さから、このような疑問が浮かんだ人がいるかもしれません。

確かに、一般のクレンジングや洗顔料を使うより肌への優しさはあります。実際にアミノ酸系の製品が敏感肌用、乾燥肌用などといって販売されています。

ところが、石けん以外の洗浄剤は、脂肪酸系でもアミノ酸系でも洗い流したあとに肌に界面活性剤が残ります。角質同士を繋ぐ細胞間脂質にくっつき、次の洗浄時に角質の剥がれを促進します。

頭皮の場合は、髪で守られた上に顔より皮脂が3倍も多いため、このような悪影響は受けません。だからサッポーは、アミノ酸系界面活性剤はシャンプーだけに使用しています。

そして「クレンジングには洗浄力不要!そして、洗顔には水に触れると界面活性剤が消える石けん」をサッポーは推奨しています。

「え!どういうこと?」と疑問が浮かんだ人もいると思いますが、ここでは詳しい解説を控えます。こちらの美肌塾を読んでみましょう。

参考:洗浄力の弱いクレンジングがよい!?

いかがでしたか?

アミノ酸系界面活性剤、アミノ酸系シャンプーについて解説しました。

値段の高さはネックですが、将来の細毛・薄毛のリスクを考えると決して高い投資ではありません。

今回の美肌塾がシャンプーを選ぶ参考になれば幸いです。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • アミノ酸系界面活性剤は、洗浄力が劣る上、製造コストが高い
  • 未来の美髪に投資するのがアミノ酸系シャンプー
黒板に注目!


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